
今では、結婚式でウェディングケーキが登場するのは当たり前になっています。ケーキ入刀やファーストバイトなどは、式のメインイベントとも言えるものですよね。さて、いつから結婚式にウェディングケーキは欠かせないものとなったのでしょうか?
起源はビスケット!ウェディングケーキの歴史
実は、結婚式にウェディングケーキが登場したのは、1930年代からです。そもそもの始まりは、古代ローマ時代に、硬いビスケットを砕いて、花嫁の頭に撒いたことだと言われています。これは、子宝に恵まれることや、豊作を祈る儀式だったそうです。
ビスケットからだんだんと豪華なケーキに
その後、ビスケットからバターケーキやスパイスケーキなどの簡素なケーキへと変わっていきます。さらに、その簡素なケーキを豪華にデコレーションするようになり、現在のウェディングケーキの形となりました。
イギリス式のウェディングケーキ
ウェディングケーキにもさまざまな形があり、国によって主流になっているものが異なります。まず、イギリスのウェディングケーキは三段重ねが主流です。イギリス王室の結婚式の際に、三段重ねのケーキがメディアに取り上げられ、世界的に有名になりました。
イギリス式ケーキに込められた意味
イギリスのウェディングケーキの最大の特徴は、ケーキが三段重ねということです。その三段には、それぞれ意味があります。一段目はゲストへのおすそ分け、二段目は招待したけれどもやむを得ず欠席してしまった方へのおすそ分け、そして三段目は、新郎新婦の間に生まれてくる未来の子供へのおすそ分けという意味合いがあるそうです。イギリスのウェディングケーキは日持ちするように作られているため、ある程度時間が経っても食べられるようになっています。
イギリスの基本的なウェディングケーキ
イギリスのウェディングケーキの基本的な作り方は、硬めに焼いた洋酒たっぷりのフルーツケーキをシュガーペーストでコーティングして、マジパンなどで飾りつけたものです。生のフルーツやホイップクリームを使っていないため、日持ちするのが特徴です。
クロカンブッシュが人気!フランス式のウェディングケーキ
フランスのウェディングケーキは、クロカンブッシュが主流です。クロカンブッシュとは、ミニサイズのシュークリームを飴などで固定しながら円錐形に高く積み上げ、仕上げに飴細工や花、チョコレートなどでデコレーションしたスイーツです。
クロカンブッシュに込められた意味
かわいらしくおしゃれなクロカンブッシュ。それだけではなく、フランス人がクロカンブッシュをウェディングケーキとして選ぶのには理由があります。クロカンブッシュはシュークリームでできていますが、シューとはキャベツを意味します。フランスでは、赤ちゃんはキャベツ畑から生まれてくるという迷信があり、クロカンブッシュには子孫繁栄の願いが込められています。
クロカンブッシュには木槌
糸のような飴細工で覆われているクロカンブッシュでは、ケーキ入刀を行うのは少し難しそうです。でもご安心を!クロカンブッシュの際には入刀せず、木槌を使うのが一般的です。二人で木槌を手に持ち、クロカンブッシュを壊す仕草をします。「木槌を入れる」と表現し、その後、ゲスト席を回りながら、木槌でクロカンブッシュの塊を崩しつつ配っていきます。
一段の大きなケーキはアメリカ式!
イギリス式は三段重ねケーキ、フランス式はクロカンブッシュ、そしてアメリカ式では大きなサイズの一段のケーキになります。
アメリカ式は変化しつつある!?
長い間、アメリカでは大きな一段のケーキが主流でしたが、最近では四段、五段と豪華に積み上げることも多くなっています。逆に日本では派手なウェディングケーキのブームは落ち着いてきていて、イギリスの三段式から、コストが低いアメリカの一段式にシフトしつつあります。
ちょっと変わったアメリカの風習
アメリカにはちょっと変わった風習があります。一段式ではなく、何段かあるウェディングケーキを選ぶ場合、こんな風にするそうです。ウェディングケーキの一段目を残して冷凍保存し、最初の結婚記念日である一年目に解凍して食べることです。そのためにフルーツを入れない、ホイップクリームではなくバタークリームを使うなど工夫する場合もあります。しかし、日本人の感覚で考えると、いくらアメリカの冷凍庫が大きくパワーが強いといっても、少々衛生的には気になる風習ですね。
まとめ
結婚式を彩るウェディングケーキは、欠かせないものとなっています。イギリス式、フランス式、アメリカ式とさまざまな種類があり、どれがいいか悩んでしまいますね。どのケーキも素敵ですが、最良のウェディングケーキをチョイスしたいですね。